今回行ったZ900RSのカスタムはフロントフォークの突き出し調整!
リアは納車時からローダウンリンクプレートを入れていますが、フロントフォークの突き出しは純正標準のままで乗っていました。
実際に乗ってみてから相談する予定でしたが、よく考えたらカスタムした状態で乗りはじめたためZ900RS本来の乗り味を知らないので比較ができません・・。
ノーマルのまま2年近く乗り続けていましたが、YouTubeやネットで突き出しで乗り味が変わった!というレビューを見て突き出し調整について再度熟考。
いまのポジションが自分に合っているのか確認するためにも、一度フロントフォーク突き出し調整することにしました。
カワサキプラザに突き出し調整を依頼しようかとも思いましたが、一度で自分好みの突き出し調整ができるとは限らないので、自分でカスタムすることに。
この記事では、個人でフロントフォークの突き出し調整した際の方法と注意点、突き出し後のレビューをまとめています。
結論から言うと・・やって良かった!もっと早くやるべきだった!です。
この記事は個人のカスタム情報です。カスタムは自己責任でお願いします。
フロントフォーク 突き出し調整で何が変わる?
フロントフォークの突き出し調整をすることで、ライディングポジションやハンドリングなど走行性能が変わります。
突き出し量を変えるとキャスター角やトレールの長さが変化するため、バイクの乗り味にまで影響します。
突き出し調整とキャスター角・トレール
下記画像は説明のために作成した、キャスター角とトレールについてイメージ画像になります。
フロントフォークの突き出し量を増やすと、ステアリングヘッドの位置が下がるため、キャスター角は小さくトレールの長さは減少します。
キャスター角・トレール量の数値的には大きな変化はありませんが、バイクの乗り味には大きく影響します。
突き出しを増やす | キャスター角 | 立つ(小さい) | ・車高がさがる ・フロント荷重が増える ・ハンドリングがクイックになる ・旋回性・運動性があがる ・セルフステアが弱くなる |
トレール | 減少 | ||
突き出しを減らす | キャスター角 | 寝る(大きい) | ・車高があがる ・フロント荷重が減る ・ハンドリングが穏やかになる ・直進安定性があがる ・セルフステアが強くなる |
トレール | 増加 |
※セルフステア:意識してハンドルを切らなくても自然に曲がる方に切れていく減少のこと。
突き出し調整によるメリット・デメリット
フロントフォークの突き出し量を増やすことで生じると言われている、メリット・デメリットをまとめました。
乗る方の体格や好みなど人によって感じ方は違うため、あくまでも一般的に言われているメリット・デメリットになります。
突き出し量を増やす|メリット
- リアローダウンによるバランスの崩れが改善される
- 足つきが良くなる
- 旋回性が良くなる|Uターンがやりやすくなる
- 取り回し作業が楽になる
- フロントの接地感がアップする
突き出し量を増やす|デメリット
- ライディングポジションの変化
- ハンドリングが変わる
- 直進安定性が落ちる
- 段差などの振動で底が擦りやすくなる
- フロントフェンダーに干渉する恐れがある
- 車高が落ちるためサイドスタンドが立つ
フロントフォーク突き出し調整|準備するもの
今回紹介するフロントフォークの突き出し調整方法は、自宅で大きな工具などの環境がなくてもできる突き出し調整のひとつ。
正規のやり方ではなく、なるべく最小限の工具を使った突き出し調整のやり方なので、必ずしもこれが正解というわけではありません。
この記事は個人のカスタム情報です。カスタムは自己責任でお願いします。
フロントフォーク突き出し調整|必要なもの
- パンタグラフジャッキ
- 六角レンチ
- ノギス
- デジタルトルクレンチ
- タオル・養生クッションマット
- ゴムハンマー(あれば)
- カワサキ サービスマニュアル Z900R(あれば)
パンタグラフジャッキ
フロントステムアップスタンドがあればフロント周りのカスタムが楽になりますが、大型工具なのでなかなか購入するのは難しいもの。
今回代用品として使用するパンタグラフジャッキは、比較的小型でお安く購入できるのでおすすめです。
フロントフェンダーの隙間に入れるため、大型ジャッキは入らないので注意が必要。
斜めに入れて隙間がギリギリぐらいのサイズ感・・
六角レンチ|ヘキサゴンソケット
六角レンチとボールポイントのセットはバイクのカスタムに欠かせませんが、ネジを外すのに力をかけにくいというデメリットもあります。
ソケットレンチ&ヘキサゴン ビットソケットの方が軽い力で外すことができるので、今後カスタム・整備を自分でする方は購入をおすすめします。
ノギス
ノギスは突き出し量を測るために欠かせません。
Shinwa Sokutei ノギスは小型タイプですが、外径測定・内径測定・深さ測定・段差測定に使用可能で必要十分の機能を持っています。
デジタルトルクレンチ
手締めでは規定トルクに合わせることができないので、デジタルトルクレンチなどトルクを測定できるものが必要です。
ボルトの締め過ぎ(オーバートルク)は破損につながる危険性があるため、メーカーの安全基準の規定トルク値で締めることが大切。
養生クッション
バイクのカスタム・整備を自宅でされるなら、養生クッションがあれば大切なバイクが守れるので安心です。
サービスマニュアル
サービスマニュアルがなくても規定トルク値などが分かっていれば、マニュアルを見ずとも作業はできますがあると安心感が違います。
規定トルク値以外にも、ボルトの締め付け順や注意点などが記載されているので、自分で整備・カスタムするなら持っておいて損はありません。
フロントフォーク突き出し調整
足つき改善目的でカスタムしてもらったローダウン リンクプレートの取り付けは、リンクプレートのサイズを変更することでシートの位置を下げるカスタムです。
その際に生じる問題が、リアとフロントのバランスが狂ってしまうこと。
いろいろな考え方がありますが、リアをローダウンして下げる場合は合わせてフロントの突き出しを調整して前も下げるのが一般的と言われています。
いままでリアを下げてフロントは何もせず乗っていましたが、ある意味Z900RS本来の乗り味を殺していたのかもしれません。
ノーマルの乗り味を知らないので憶測でしかありませんが・・
突き出し調整のやり方・手順
今回はZ900RSのフロントフォークの突き出し量を増やすカスタムを行いました。
途中から暇そうにしてたパートナーに手伝ってもらいましたが、こちらのカスタムは手順さえしっかり理解していれば、女性でもひとりで対応は可能です。
ただ写真を撮る余裕がなかったので、一部サービスマニュアルの画像で説明しています。
またフロントステムアップスタンドを使用する代わりにパンタグラフジャッキをするなど、あるもので工夫した調整手順で正規のやり方ではありません。
YouTubeなどにフロントフォーク突き出し動画はたくさんありますので、ご自身でやるときは確認の上対応してください。
カスタムは自己責任でお願いします!
step
1フロントフォーク突き出し量計測
作業前の突き出し量をノギスで計測しておきます(計測値9mm)。
Z900RS標準のフロントフォーク突き出し量は8mm(画像A)
突き出し量はバイクの車種や他のカスタムによって、突き出し可能範囲が異なります。
また数ミリの違いで乗り味が変わるので、自分の好みに合わせて徐々に調整していくことをおすすめします。
- 突き出し量が多すぎるとフェンダーにあたる可能性がある
- フォークカバー・ドラレコを付けている方は要注意
step
2ジャッキアップ
フロントフォークは、トップブリッジとアンダーブラケットの合計4箇所でとまっているだけなので、ネジを緩めることで落ちる可能性を防ぐためにもジャッキをします。
ジャッキでバイクが傷つかないように傷防止処理をしましょう!
フロントフェンダーの上にジャッキを載せるため、ジャッキの圧が車体・フェンダーにかかり、凹みや傷に繋がる可能性があります。
またジャッキがバイクに触れる部分にも、クッションの役割になるものをはさみ保護します。
今回下記3箇所に保護材を入れてみました!
- ジャッキがあたるフロントフェンダーとタイヤの隙間に木片+クッション材
- ジャッキ上部と車体を支える箇所に木片
- ジャッキの上下にクッション材
step
3ネジをゆるめる|4箇所
上側のフロントフォーククランプボルト 2箇所(画像A)と下側の左右 4箇所(画像C)、合計6個のネジを、フロントフォーク落ちない程度に左右交互に緩める。
完全に取り外すのではなく、フロントフォークが上下に動かせるように緩めるのがポイント。
step
4突き出し量を調整
ジャッキを少しづつ緩め、手もしくはゴムハンマーなどでハンドルやステム部分をトントンと押し混み、少しづつ下げていく。
その際、ハンドルを左右に動かしてしまうとフロントフォームがよじれる?らしいので注意。
目標の突き出し量になったら、ネジを左右交互に仮止めしジャッキを外す。
ネジの仮止め段階で突き出し量が変わってないかノギスでチェック!
step
5規定トルク値で本締め
締め付けトルクが均等になるように、フロントフォーククランプボルトを交互に締め付ける。
規定トルク値で本締めしたら、ポジションなどを走る前にしっかりチェック。
- ハンドルがタンクに当たらないか
- カウルやドラレコをつけてる方はフロントフェンダーに干渉ないか
フロントフェンダー上の隙間はしっかり確保しよう。
- フロントフォーククランプボルト(上側) 20Nm
- フロントフォーククランプボルト(下側) 20.5Nm
注意点
突き出しを増やすと車高が下がってバイクが立つので、サイドスタンドをショートにしていない方はチェックすることをおすすめします。
フロントフォーク突き出し調整|自分でやる?任せる?
時間・お金を惜しまないのであれば、整備士さんにやってもらう方が安心です。
ただ自分でフロントフォーク突き出しをするメリットは、自分好みの突き出し量になるまで何度でもやり直しができること。
「突き出し量を数ミリ増やしただけでも乗り味が劇的に変化!」と書かれているブログを見て、それならばと5mmほど突き出し量を増やしてみましたが・・
私には変化が感じられませんでした・・
最終的に約15mmほど突き出し量を増やしてみましたが、慣らし運転ですぐに効果を実感することができました。
自分で突き出し調整する不安もありましたが、私はカワサキプラザのメンテナンスパックに入っているので、点検時にカスタムした箇所を伝えてチェックしてもらっています。
ちょっとずるいやり方かもしれませんが、定期的にプロの整備士に点検してもらえるので安心感が違います。
自分で整備・カスタムする場合でも工具を揃える費用は必要ですが、バイクへの理解が深まり、ちょっとしたトラブルも自分で対応できるようになるところもポイント。
突き出し量を増やすカスタムは、工具さえあれば比較的簡単!
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フロントフォーク突き出し後のレビュー
フロントフォーク突き出し量を15mm増やしトータル24mmにしましたが、乗り味は大きく変わりました。
お尻下がりでリア荷重よりだった車体が、フロントフォーク突き出しを増やすことでバランスが取れてm乗りやすくなったように感じます。
- 車体の重心位置が変わり足つきが良くなった
- 小回りがしやすくなった
- 取り回しがしやすくなった
- カーブが曲がりやすい
- 前後のバランスが良くなったためか、車体がコンパクトになったように感じる
- 信号停車時など低速走行の安定性が多少悪くなった
- 少し前傾姿勢になったことは気になっている
感じ方は人それぞれですが、結果的に大満足のカスタムに!
低速時多少ふらつくような感覚があること、少し前傾姿勢になったことは気になってはいますが、それをデメリットと感じないぐらい乗りやすくなりました。
ただ乗り味の変化は突き出し調整だけではなく、サスのプリロード調整やハンドル交換、リアローダウンなど複雑に絡み合ったもの。
自分に合ったフロントフォーク突き出し量を見極めて調節することをおすすめします。
今回ひとつ失敗したのが、工具類の片付けをパートナーに手伝ってもらったら、最後の最後でラジエーターにジャッキをぶつけられてしまいました・・。
凹みはほとんど問題ありませんが、塗装が剥がれているところが多少目立つ・・。
ラジエーターコアガードでも買って取り付けようかなと検討中です。
カスタムは最後まで気を抜かずに・・[ゴメーン]
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